利用しやすい病児・病後児保育の実現【子育て支援課】
要点
背景
- 病児・病後児保育の手続き、保育は紙面と電話が中心のアナログ的な方法で運営されている
- 刈谷市には医療機関併設型の施設がなく、子どもの体調が急変した場合は職員が現場で判断しなければいけない
解決したい課題
- 受付時間外に空き状況確認や利用予約ができない
- 事前申請が紙面手続きであり、利用のハードルが高い
- 保護者が子どもの様子を見られないため、安心して子どもを預けられる環境整備が不十分
- 医療機関と連携し、相談しやすい環境整備が不十分
実現したい未来
- ICT等の活用により、病児・病後児保育の施設と医療機関、保護者をリアルタイムでつなぐオンラインサービスを導入することで、働きながらでも安心して子育てできる街を実現したい
想定する解決策や技術
- 空き状況の確認から利用予約までのオンライン化
- 事前申請の電子化
- カメラ、モニター等を活用した遠隔での医療機関連携や保護者への情報伝達サービス
提供可能なデータ・環境等
- 病児保育施設情報
- 利用者数などの実績情報
- 病児保育利用申請書類
実証実験後の発展性
- まずは、空き状況の確認から利用予約までのオンライン化の実証に取り組みたい
- 次年度以降のステップで事前申請の電子化やカメラ、モニター等を活用した遠隔での医療機関連携や保護者への情報伝達サービスの導入につなげたい
ストーリー
子育て家庭の頼れる味方「病児・病後児保育」をご存じでしょうか
- 病児・病後児保育は、生後6か月から小学校3年生までの病気または病気の回復期であり、保護者の就労、傷病、事故、出産、冠婚葬祭その他社会的にやむを得ない事由により家庭での保育が困難なお子さんをお預かりするサービスです。
- 市内には、北部に「かりがね病児ケアルーム」・中部に「こすもす」南部に「依佐美おひさまケアルーム」と3か所の施設があり、年間延べ300~350人のお子さんが病児・病後児保育を利用しています。
- どの施設にも、看護師と保育士が配置されており、お子さんが安心して過ごせるように努めています。
病児・病後児保育を利用するための手続き
病児・病後児保育を実際に利用するためには次のような手続きが必要です。
- 事前登録をする
登録用紙の記入・子育て支援課への提出が必要です。
- 医療機関を受診する
医療機関で「利用連絡票」の記入をしてもらうことで病児・病後児保育を利用できます。
- 施設の利用予約をする
- 必要書類を準備・事前打ち合わせを行う
- 保育
これらの手続きはすべて、紙面・電話を中心に行われています。
病児・病後児保育が抱える問題点
- スタッフは、限られた人数で保育業務と受付業務を並行して行います。保育中に電話が鳴ると、子どもを見ながら電話対応をします。また、その時点での予約状況や子どもの病状を考慮して部屋割りを考え、預かりが可能か判断をします。
- 保護者は、体調がすぐれない子どもを見ながら医療機関の受診、電話予約、書類や持ち物の準備をしなければいけません。更に施設に予約ができるのは夕方4時半までであり、それ以降は翌朝まで予約状況の確認や予約はできません。
- 他市には医療機関併設型の施設もありますが、刈谷市の施設は単独または保育所併設型で病児保育を運営しているため、万が一子どもの体調が急変した場合などは職員が現場で判断しなければいけません。
利用しやすい病児・病後児保育を目指して
- ICTの活用として、まずは予約状況の確認や予約をシステムで行えるようにしたいと考えています。
- これにより保護者は24時間いつでも3施設の予約状況を確認でき、空いている施設を予約することが出来ます。そうすることで仕事や予定を休めない中、利用が翌朝まで確定せずに不安な思いをする方も減少します。
- 加えて、事前登録も電子申請にすることで、書面で提出する手間が省け、病児・病後児保育の利用のハードルが下がると考えています。
- また、AI等を活用した部屋割りの自動化やカメラ、モニター等を活用した遠隔での医療機関連携まで行うことが出来ればスタッフ、保護者ともに安心・安全な病児保育サービスが提供できます。
こんな未来になるといいな!
- 病児・病後児保育の施設と医療機関、保護者をリアルタイムでつなぐオンラインサービスを導入したいと考えています。
- 例えば仕事をしながら子どもを預けている保護者が、休憩中に子どもの様子をみることができたり、子どもの体調が急変した際に、離れた医療機関から指示を仰ぐことができます。
- 保護者・スタッフ・医療機関3者間の連携が深まることで、より安全な病児・病後児保育サービスを提供できると考えています。
- ICT技術で利便性・安全性を向上させることで働きながらでも安心して子育てできる街を作っていきたいと考えています。