バス利用者の移動需要(乗降情報等)の把握【都市交通課】
2023年度の課題解決型実証プロジェクトとして決定し、以下の内容で実証を行いました。
プロジェクト
AIカメラを活用したバスの乗降人数可視化プロジェクト
目的
AIカメラを活用した乗降人数の自動集計による乗降人数の把握及びバス運転手の負担軽減の実現を図る。
実施内容
概要
- バスの出入り口にAIカメラを設置し、停車するバス停毎の乗降人数についてデータ取得を図る。
- 取得したデータについて、バスの運行時間からバス停毎のデータを割り出し、バス停毎の乗降人数を表形式でアウトプットを行う。
- これらを通して、乗降人数の自動集計とバス運転手の負担軽減につながるか実効性を検証予定
期間
(プロジェクトイメージ)
実証結果
関係者
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社東海支社
刈谷市企画政策課、都市交通課
当プロジェクトの課題背景について
要点
背景
- 刈谷市のバス「かりまる」は年間約56万人(R3:コロナ前は約71万人)が利用(6路線 10台)
- 乗車人数は運転手が目視と手書きで毎日記録している
- 事業所に戻ってから便別、停留所別で専用のエクセルデータベースに記入し、日報月報と合わせて記録管理している
解決したい課題
- バス利用者数を手書きで調査する運転手の負担軽減
- バス利用者の移動需要、停留所の需要を把握するため、降車人数及び乗降経路(OD:どこで乗ってどこで降りているか)を継続的に把握したい
- 利用者の属性(地域、年代など)による傾向や、移動需要の変化の傾向、変化の理由を分析したい
実現したい未来
- 市民のバス利用のニーズに応じたバス路線の再編により、利便性が向上し、市民の外出機会も増加することで、健康増進、フレイル予防、市内消費の喚起などの効果が生まれる
想定する解決策や技術
- AIカメラやセンサーなどによる顔認証で乗降データを取得する(富山市八尾地域コミュニティバスなどの事例を想定)
- 取得したデータの自動整理(日報・月報・年間データ化)
提供可能なデータ・環境等
- 現在運転手が記録している乗車人数データ
(※別途、取扱いに関する協定等の締結を予定)
実証実験後の発展性
- 今回は対象路線を限定するが、その後全路線に展開したい
- 将来は、バス路線再編(時期未定)に際して、路線の利用状況を把握し、移動需要に応じた新たな路線を提案するための材料や、路線改正後の効果検証にも利用したい
ストーリー
バスの利用者数の数え方、実はとてもアナログで、運転手の負担も大きいです。
- 公共交通を考えるうえで、利用者数の把握は欠かせません。この年間利用者数は刈谷市のバス「かりまる」では、実はバスの運転手が、各便各停留所で乗車した人数を手書きで記録して、営業所に戻ってデータ入力をしています。
- 安全運転のためには、可能な限り運転手の負担は軽減したい。しかし、利用者数の把握は絶対必要。運転手の方には、バスを停車しているときに記載していただいております。
バス利用者の目的地を把握できない
- バス利用者はどこのバス停で降りているのでしょうか?実はこれを通常業務で調べることができません。バス運転手は乗られる方の数しか把握することができません。この調査では各バス停の乗車人数までは把握できますが、降車人数は把握できません。そして、出発地バス停と目的地バス停(OD)も把握できません。
- 「かりまる」の路線を検討する際に、OD調査は欠かせません。市はある一日を調査日として乗り込み調査を行い、バス利用者にその場でアンケートしていただく方法で調査をしています。ある1日なので、データとしての精緻性に課題があるとともに、調査にかかる人件費の負担も大きいです。
より便利な公共交通に向けて
- 降車人数が把握できないのでバス利用者の移動需要や降車する場所の需要が把握できない。
つまり、バス利用者の乗降(OD:どこで乗ってどこで降りているか)も把握できません。
- バス利用者のOD、しかもそのODデータが多ければ多いほど、より移動実態に即した公共交通再編の検討が可能となります。しかしながら、毎日かりまるに乗り込み調査することは現実的にできません。
- 例えば、AIカメラの顔認証システム等でOD調査(地域、年代など属性も含む)が出来れば、効率的なODデータ収集が可能です。
- このような効率的なOD調査を実施するため、皆様の技術やアイデアが必要です。
より利便性の高い公共交通再編のために、是非ともご協力をお願いいたします。